百姓へ庄屋からの通達文書だと思われます。
食べるのに困っている老人や女性、子供を援助するという文書。
米を4升ずつ支給するという、昔は取り上げるばかりだという印象でしたがこんなこともあったのでしょうか。
【解読文】
里村郷難渋人家内人員別帳面之通
去十二月名前御達申上御座候間此度
其内ニ而老若且ハ女之者共日々食業
致兼候筋撰出シ救合御取計可被成様
尤壮健之者相除キ可申筈ニ候得共実々
貧窮相暮シ候者ハ無洩救合取計遣シ
可申事
但壱人前ニ老若とも
米四升ツヽ遣シ候筈
以上頭百姓中江篤与申談候事
三月二日 庄屋許
肝煎衆中
【読下文】
里村郷難渋人家内人員、別帳面の通り
去十二月、名前御達し申し上げ御座候間、此度
其内にて老若且は女の者共、日々食業
致し兼ね候筋撰び出し救合御取り計らいなさるべくよう、
もっとも、壮健の者あい除き申すべきはずに候えども実々
貧窮あい暮らし候者は洩れ無く救い合わせ取り計らい遣し
申すべき事。
但し、一人前に老若とも
米四升ずつ遣わし候はず。
以上、頭百姓中へ篤と申し談じ候事
三月二日 庄屋許
肝煎衆中
【意訳 本文のみ】
里村郷で難渋する家内の人員については、別帳面の通り、
去る十二月、名前を報告申し上げましたが、この度、
そのうち老若や女性で、日々の食事を致し兼ねる者を選び出し、
援助を行います。
もっとも、壮健の者は除く計画ですが実際に貧窮に暮らす者には
洩れなく援助することにします。
但し、一人前に老若とも米四升ずつ支給する計画です。
以上、頭百姓中へしっかりと伝えて下さい。